プロフィール

デジタルメディア局 メディアソリューション部
R.M.
2022年4月に東洋経済新報社に新卒入社。自社運営WEBサービスのアクセスログや会員データ、購買データなどの分析・改善の提案を行う。
デジタルメディア局 メディアソリューション部
R.M.
2022年4月に東洋経済新報社に新卒入社。自社運営WEBサービスのアクセスログや会員データ、購買データなどの分析・改善の提案を行う。
担当している仕事は何ですか。
データサイエンティストとは、企業が日々蓄積する膨大なデータを分析し、その結果をもとに事業の意思決定を支える専門職です。しかし、その役割は単なる分析にとどまりません。得られた分析結果から洞察を導き出し、現場の課題解決に直結する施策の立案・提案までが求められます。
サブスクリプション型の会員制ビジネスを展開するニュースサイトの「会社四季報オンライン」を例に挙げると、本サービスでは、会員数の減少が課題となっていたことがありました。その原因を解明するため、データを因数分解し、ひとつひとつ要因をを探ります。会員数が減少している場合、新規会員獲得数の減少、または退会者数の増加などの原因が考えられます。分析結果は、退会数の変動より、新規会員数の減少の方に原因があると示していました。では、なぜ新規会員が減少しているのか? それをひもとくために今度は新規会員の流入経路に注目し、分析をかける......といった具合に、課題を生じさせている根本的な原因を探っていくのです。
分析の深掘りは、課題解決に向けた具体的な施策やアプローチが見出せるところまで続きます。こうした分析プロセスでは、ビジネスモデルへの深い理解が重要になります。例えば、アクセス数が収益の鍵を握る広告モデルと、会員登録数が中心となるサブスクリプションモデルとでは、重視すべき指標も施策も異なります。データを活用して仮説を立てる際には、こうしたビジネスの仕組みを踏まえた上で分析を進める必要があります。
このように、データサイエンティストは問題の原因を明確化し、それを基に次のアクションを提案する役割を担っています。データをただ見るだけではなく、ビジネスの文脈と結びつけて考える力が求められる職種です。その働きは、企業の意思決定を支える重要な原動力となっています。
仕事のやりがいは何ですか。
担当したデータ分析が、現場での具体的なアクションにつながり、その成果が数字に表れたときに、仕事の重要性を強く感じることができます。また、現場で使われるダッシュボードの作成もデータサイエンティストの役割です。長期間使用され続けるダッシュボードが現場の業務効率化や意思決定の質向上に貢献していると実感できることも、仕事の魅力の一つです。
仕事で大事にしていることについて教えてください。
データサイエンティストの仕事の難しさは、現場とのコミュニケーションにあります。たとえ的確な分析が行えたとしても、その結果を的確に伝えられなければ、アクションにはつながりません。現場とのミーティングで反応が薄かったりすることもあります。こうした課題を解決するためには、事前の関係者へのヒアリングが欠かせません。
求められる人物像について教えてください。
・論理的に物事を考えられる人
・自分の考えを整理して伝えられる人
・自ら学ぶ意欲のある人
データサイエンティストには、データ分析にとどまらず、考えたことを現場に伝えアクションを促す役割があります。したがって、論理的思考力やコミュニケーション能力が必要になります。当然、データ分析には最低限の技術的なスキルが必要になりますが、それは入社後に身につけることができます。現場では、SQLのようなデータベース言語やPythonなどのプログラミング言語をOJTで学びながら、実務経験を積むことができます。自ら学ぶ意欲のある人がこの仕事に向いています。
データを基に仮説を立て、検証し、その結果を報告するというスキルは、マーケティングなどの幅広い分野で応用可能です。特に事業会社では、ビジネスの仕組みを理解しながら課題を解決する経験を積むことで、データに基づいて事業を推進する力が養われます。こうした経験を基に、事業戦略に携わるキャリアも目指せます。データ分析の専門性だけでなく、ビジネス全体を支えるジェネラリストとしてのスキルも獲得できる職種といえるでしょう。
所属・役職は取材時時点のものです。